精神衛生上問題の多い高層住宅

では高層住宅居住は住んでいる人の心理的健康にどのような影響を及ぼすのでしょうか。結論からいえば、高層階に住むことは決して勧められるものではない、ということです。我が国のデータではありませんが、高層住宅に住んでいる合衆国の黒人の老人を調べた結果では、高層住宅に住んでいる人は健康状態が悪かったり、より抑欝状態を経験していたり精神障害が多発していたりしているといいます。ただ厳密にいえば、この研究の場合、高層階居住者は低所得者が多いというような、社会的・経済的要因や人種問題などともからんできますので、すべてが高層住宅のせいだとはいいきることはできません。しかしイギリスで兵士とその家族を高層住宅と一戸建てに無作為に割り当てて住まわせたところ、高層住宅に住んだ家族の半数以上が神経症になったという極端な記録があります。そして高層階にゆくほど神経症が強まり、満足感が減り、友人も減っていったということです。このことは高層住宅に住まざるをえなくなった人は精神的な問題を感じやすい人だったと考えるよりも、高層階居住がこれらの問題を引き起こしたという因果関係をうかがわせます。その他の不動産、リフォームに関する知識や情報は、←こちらからどうぞ。我が国でも東海大学の逢坂文夫らのグループや東大医学部の研究グループらによって、高層階の主婦は高血圧症の人が多く、流産も多くなるというデータが発表されています。これは高層階になるほど外出が減り、運動不足になったり、ストレスの発散をもたらしてくれる近所づきあいが少ないなどの理由によると考えられています。また、渡辺も居住階とストレスの関係を指摘しています。このような調査結果から高層階居住は住む人に多大の心理的負担をかけるものであるといえるでしょう。

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